細胞膜

アラキドン酸とPGE2について

アラキドン酸は体内で合成されています。
リノール酸から合成されますが、そこからさらに代謝や合成を繰り返し、PGE2という物質が誕生します。
正式名はプロスタグランジンE2となりますが、炎症や発熱に深い関係があります。
さらには子宮との関係例が高く、女性の生理や出産にも大きく関わってきます。

PGE2には生理時の経血の排出を促す作用があります。
生理中は子宮が収縮を繰り返し、不要となった子宮内膜が経血となって排出されますが、この時PGE2があると子宮の収縮が安定し、経血を排出するのもスムーズになります。

しかしPGE2が過剰になってしまうと、子宮収縮も過剰になるため、生理痛という症状が出ます。
PGE2には炎症を促進させるという、生理に関しては厄介な作用があります。

PGE2はアラキドン酸を合成する過程で発生しますから、食生活もバランスに関係してきます。
アラキドン酸は脳をサポートするという重要な役目があるため、ある程度は体内でも合成できます。
食事からも補えますが、アラキドン酸を含む食材が肉や卵という事もあって、肉が好きな人はアラキドン酸を過剰摂取しがちです。

アラキドン酸が増える事で、PGE2も増えますから、生理痛悪化する原因につながる可能性があります。
PGE2の量が増えると、炎症がひどくなっていくので、鎮痛剤を飲んでも効きが悪くなってしまいます。

しかし出産時には子宮収縮をコントロールする作用が、陣痛促進剤として役立つ事があります。
生理には痛みを強くするというデメリットがありますが、それを利用して陣痛を促す事もできるのです。

脂肪分を多く含む食事はアラキドン酸摂取には好都合ですが、カロリーオーバーや肥満の原因となる事もあります。
PGE2の過剰分泌にもつながりますから、食事からアラキドン酸を補う時は、脂肪分の少ない青魚や卵、カットわかめをおすすめします。
肉も適度に必要ですが、脂肪の摂り過ぎにならないよう注意してください。