細胞膜

アラキドン酸とPGH2について

アラキドン酸は体の中で合成できる成分ですが、その段階でアラキドン酸カスケードというサイクルを作り、代謝と合成を繰り返しながら、新たな物質を作り出します。
PGH2もその一つで、主に血小板をサポートする働きがあります。

アラキドン酸カスケードにより、アラキドン酸が存在しているリン脂質から離れる時に、クロオキシナーゼがPGG2を作り、PGH2を作り出します。

炎症を促進させるPGE2も同じカスケードの過程で発生する物質ですが、PGH2と同じプロスタグランジンの一種です。
プロスタグランジンはPG群とも言いますが、基本的に発熱や炎症を引き起こす物質で、アトピー性皮膚炎の場合もPG群が原因となる事が多いのです。

アラキドン酸は脳をサポートする事から、脳には多くのアラキドン酸が必要ですが、PGH2からさらにPG12という成分が作られる事があります。

PG12は血管拡張作用、血小板の凝集を抑える作用、妊娠中の子宮弛緩作用、胃液の分泌を抑える作用があります。
全てはアラキドン酸カスケードにより発生しますが、シクロオキシゲナーゼも大きく関係しています。
PHG2に変換されるのもシクロオキシゲナーゼがあって可能になります。

炎症や痛みの原因となる物質ですが、アラキドン酸は生きていくために欠かせない重要な成分ですから、摂取や合成は必要です。
アラキドン酸カスケードの段階で、痛みや炎症の原因となるPGE2やPGH2が発生するのは仕方ない事ですが、この場合は鎮痛剤で対処できます。
鎮痛剤はアラキドン酸からPGH2が合成されないような作用があるものを選ぶと、アラキドン酸を上手く活用できます。

アラキドン酸もそこから発生するPGH2やPGE2も、いろいろな作用があります。
痛みや炎症というのはあまりあって欲しくない事ですが、出産時に陣痛が来ない人や、陣痛が弱い人は痛みや炎症という作用を、陣痛促進剤として使う事もできるのです。
あまり聞きなれない名前ですし、意識して生活する事もほとんどありませんが、知識として持っておくメリットはあるかもしれません。